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物流拠点の分散・集約とは?メリットとデメリットを徹底解説

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2024.12.27

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物流拠点の配置方法には、分散型と集約型の2つのアプローチがあります。企業の成長や事業規模、商品特性に応じて、どちらを選ぶべきかは重要な判断です。分散型は、複数の拠点で在庫を管理し、消費者に近い場所に拠点を設けることで配送効率を高めます。一方、集約型は拠点を1か所にまとめることでコスト削減が期待でき、在庫管理がシンプルになるメリットがあります。

しかし、どちらの方式にもメリットとデメリットがあり、慎重な選択が必要です。当記事では、物流拠点の分散・集約について具体的に解説します。

物流拠点の分散とは?メリットとデメリットを解説

物流における拠点分散は、物流業務を最適化する方法の1つです。拠点を各地に設けることで、さまざまなメリットが生まれますが、一方でデメリットも無視できません。

以下では、物流拠点の分散について、その概要とメリット・デメリットを解説します。

物流拠点の分散とは

物流拠点の分散とは、エリアごとに物流センターを設け、荷物の配送や管理を行う戦略です。このアプローチにより、配送リードタイムの短縮や配送コストの削減が可能となります。

また、1つの拠点に依存しないため、災害時やトラブル発生時にも他の拠点がカバーできる点が特徴です。リスク分散や柔軟な物流対応が求められる物流拠点において、この分散型が注目を集めています。

物流拠点を分散するメリット

物流拠点を分散すると、次のようなメリットが得られます。

  • 配送スピードの向上に期待できる
    物流拠点を複数設ければ、消費者に近い拠点からの商品発送が可能です。その結果、配送距離が短縮され、配送スピードが向上します。配送時間が短縮されると、消費者満足度の向上につながり、特に短い納期を求める顧客に対して優位性を保つことができます。
  • 自然災害や火災が発生した際に、資産の損害を最小限に抑えられる
    物流拠点を分散しておけば、1つの拠点が機能不全に陥った場合でも、他の拠点で業務を続けられます。たとえば、台風や地震などで被災し、特定の地域の物流拠点が機能できなくとも、他の拠点がカバーできれば、物流全体への影響を最小限に抑えられます。リスクの分散は、企業のBCP(事業継続計画)の一環としても重要です。
  • 配送コストの削減につながる
    燃料費の高騰が続く中、長距離配送によるコストの増加は無視できません。消費者に近い拠点からの配送であれば、トラックの燃料費やドライバーの人件費を最適化できます。長距離輸送を避ければ、ドライバーの拘束時間も短縮され、残業代の削減にも期待できるでしょう。

物流拠点を分散するデメリット

物流拠点分散には、次のようなデメリットもあります。

  • 施設・設備導入の費用が発生する
    新たな物流拠点の設置には、土地の確保や施設・設備の導入など、多大な初期投資が必要です。特に中小企業にとって、この初期費用は大きな負担となり得ます。また、新しい拠点の運営に必要な設備やシステムの導入コストも考慮しなければなりません。
  • 人件費が増加する
    各拠点での運営には人員が必要です。拠点ごとのスタッフ配置を最低限に抑えても、人件費の増加は避けられないでしょう。
  • 在庫管理が複雑になる
    複数の拠点に在庫を分散させると、在庫管理が複雑になります。在庫管理に不備が生じると、欠品や過剰在庫のリスクが高まり、効率的な運営に支障をきたす可能性があります。各拠点の在庫データをリアルタイムで共有し、適切な量を維持するためには、高度な在庫管理システムの導入が不可欠です。

物流拠点の集約とは?メリットとデメリットを解説

物流拠点を分散する方法以外にも、複数の拠点を集約する戦略があります。この戦略では、コストや在庫管理の面で効率化を図ることが可能です。

以下では、物流拠点の集約について、その概要とメリット・デメリットを解説します。

物流拠点の集約とは

物流拠点の集約とは、企業が複数の物流拠点を少数または1か所に集中させる戦略です。物流業務のリソースを集約することで、拠点運営の一貫性が高まり、スムーズな業務運営が期待できます。

物流拠点の集約化は、物流ネットワーク全体の効率化を図り、運営コストの削減や在庫管理の最適化を狙う場合に適した戦略です。近年では、首都圏に大規模な物流施設を設ける企業が増加しており、集約型拠点の運営が注目を集めています。

物流拠点を集約するメリット

物流拠点を集約すると、次のようなメリットが得られます。

  • 設備費・人件費のコスト削減につながる
    拠点を複数に分散する場合、各拠点で設備投資やスタッフの配置が必要です。しかし、拠点を1つに集約すれば、設備費や人件費を最適化でき、物流コスト全体の削減が期待できます。
  • 配送効率向上に期待できる
    物流拠点が1か所に集約されていれば、在庫の移動や拠点間の連携が不要です。在庫転送や調整が省けるため、輸送の無駄を削減し、配送効率の向上と輸送コスト削減につながります。
  • 在庫管理を簡略化できる
    複数拠点に分散する場合は在庫管理が複雑化しますが、1か所に在庫を集約することで管理がシンプルになります。在庫の数を正確に把握できれば、余剰在庫の削減にも期待できるでしょう。

物流拠点を集約するデメリット

物流拠点を集約する際には、次のようなデメリットがあるため注意が必要です。

  • リスクの分散がしにくくなる
    物流拠点を1か所に集約すると、リスクも集中します。たとえば、自然災害や設備故障など予期せぬトラブルが発生すると、企業全体の物流が停止する可能性があります。このため、集約型の物流拠点では、BCP(事業継続計画)の整備が欠かせません。
  • リードタイムが伸びる可能性がある
    拠点を集約すると、配送先までの距離が長くなる場合、リードタイムが延びる恐れがあります。特に、配送スピードが重要な商品を扱う企業では、リードタイムの延長が品質に悪影響を及ぼす懸念が否めません。広範囲に顧客を抱える企業は、慎重な判断が必要です。

物流拠点の分散・集約を選ぶポイント

物流拠点を分散型・集約型のどちらにするか選ぶ際は、以下のポイントを考慮しましょう。

  • 土地・建物のコスト        
  • リードタイム           
  • 将来の需要            
  • 事業規模             
  • 商品の特性            
  • 在庫量

集約型では広大な倉庫面積が必要なため、都市部で最適な立地を選ぶとコストが高くなりがちです。一方、分散型では拠点の数は増えますが、小規模な倉庫で済むため、土地の選択肢が広がり、コストを抑えられます。リードタイムについては、消費者に近い場所に拠点を設けられる分散型のほうが配送時間の短縮に期待できるでしょう。

将来的な事業の拡大を見据えると、拠点を柔軟に増設できる分散型が適していると言えます。また、取り扱う商品の特性によって最適な拠点配置が異なります。たとえば、生鮮食品などリードタイムが短く求められる商品には分散型が適しており、長期保管可能な商品は集約型が有利です。

在庫量の管理については、分散型では各拠点に在庫を分けて保管するため、管理が複雑になります。集約型では1か所で在庫を管理できるため、在庫量を把握しやすく、過剰在庫や欠品のリスクを減らせます。

このように、企業の状況や戦略に合わせて、コストシミュレーションを行い、どちらの方法が最適かを慎重に検討するのが重要です。

まとめ

物流拠点を分散型または集約型にする選択は、企業の効率化に大きく影響します。分散型は、配送先に近い場所に拠点を配置することで、配送スピードを短縮できる点が特徴です。一方、集約型は拠点を1か所に集めることで、設備費や人件費を削減できます。企業の規模や取扱商品、将来的な需要に応じて、最適な選択が求められます。

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