倉庫管理とは、倉庫内で実施される業務全体を管理することです。倉庫管理には、入庫管理・出庫管理・在庫管理の3つの業務に分けられます。これらの業務は、倉庫全体の適切な管理だけではなく、企業全体のサプライチェーン最適化の観点からも欠かせません。
この記事では、倉庫管理とはどのような業務であるのかについて、詳しく解説します。さらに、倉庫管理に関する業務を効率化する6つの方法についても取り上げるので、ぜひ参考にしてください。
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倉庫管理とは?仕事内容・業務を効率化する方法を解説
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2024.05.10
目次
倉庫管理とは?
倉庫管理とは、倉庫内で行われる業務全般をマネジメントする取り組みのことです。
そもそも倉庫は原料や製品など、経済活動や消費者の生活に欠かせないさまざまな物品を大量かつ安全に保管しており、物流において極めて重要な役割を担っています。現代はECサイトによる通販の需要増加などで物流量が増加していて、倉庫が果たす役割はますます重要性を増している状況です。
倉庫管理は、多くの煩雑な作業が発生する倉庫業務の効率化を進めて、倉庫全体の適切な管理を目的として行われます。倉庫管理の実施により、物流コストの削減やミスの防止ができ、顧客サービスの向上につなげることが可能です。
倉庫管理と在庫管理の違い
倉庫管理と間違われやすい言葉に「在庫管理」があります。
在庫管理とは、倉庫内に存在する商品在庫の数量を管理し、適正な在庫数を維持する管理作業のことです。在庫管理で管理する対象は「商品在庫の数量」であり、「在庫量の維持」を目的として行われます。
これに対して、倉庫管理で管理する対象は「倉庫業務全般」であり、目的は「倉庫全体の管理」です。倉庫管理では在庫管理も含めて業務の管理を行い、倉庫全体の適切な管理を実現します。
倉庫管理に関する仕事内容
倉庫管理に関する仕事内容は、大きく分けて「入庫管理」「出庫管理」「在庫管理」の3つがあります。それぞれの管理業務は内容に違いがあるだけではなく、相互に関係もしているため、仕事内容の特徴を理解しておきましょう。
入庫管理
入庫管理は、仕入先や物流拠点から到着した商品・荷物の入荷管理を行い、倉庫内に搬入して適切な場所に保管する管理業務です。
入庫管理の仕事内容には、主に下記の作業が含まれます。
- 入荷した商品の荷卸し
- 入庫伝票の照合
- 検品作業
- 指定場所への仕分け・搬入
- 在庫計上
入庫管理は倉庫に入ってくる商品・荷物に対して行う最初の管理業務であり、倉庫管理の中でも特に重要性が高い作業です。入庫管理を適正に行うことで、在庫管理時のデータ照合などが行いやすくなり、出庫時の作業もスムーズに進められます。
出庫管理
出庫管理は、倉庫内で保管している商品・荷物のピッキングから、トラックや船などに積み込むまでの管理業務です。出荷にかかわる出荷管理も、出庫管理の一部として行われます。
出庫管理では、主に下記の業務について管理を行います。
- 商品のピッキング
- 検品
- ダンボール箱や木箱への梱包
- 出荷伝票の貼付
- 出荷物と出荷伝票の照合
- 出荷物の積み込み
- 売上計上
出庫管理の仕事内容は倉庫で保管していた商品の出庫・出荷を行うことであり、納品書の内容にもとづいて作業を進めます。出荷された商品は消費者や顧客のもとに送られるため、正しい荷物をピッキングし、配送中に傷がつかないように梱包しなければなりません。
出庫・出荷作業は荷物の取り違えなどのミスが起こりやすく、慎重な管理が必要とされています。
在庫管理
在庫管理では、商品の在庫状況を管理するとともに、入庫・出庫作業に備えたさまざまな準備を行います。
在庫管理の主な仕事内容は下記の通りです。
- 商品在庫量の管理
- 在庫品質管理
- 過剰在庫や欠品の把握
- 発注書作成や発注タイミングの管理
- 保管場所のロケーション管理
過剰在庫は将来的に廃棄ロスにつながる可能性があり、反対に欠品は商品販売の機会損失につながります。商品を販売する企業が売上増大を図るには、適正な在庫管理が重要です。
倉庫管理に関する業務を効率化する方法
倉庫管理にはさまざまな業務が含まれていて、管理業務の負担は大きいものとなっています。仕分けミスや誤出荷などを防ぐためには、倉庫管理業務の効率化を図ることが重要です。倉庫管理に関する業務の効率化につながる、6つの方法を紹介します。
ロケーション管理の実施
ロケーション管理を適切に行うと、倉庫管理の効率化が実現できます。ロケーションとは商品の保管場所のことです。
ロケーション管理には、商品の保管場所を固定化させる「固定ロケーション」と、倉庫全体の状況で保管場所を変える「フリーロケーション」の2種類があります。
固定ロケーションは、レイアウトを覚えれば管理作業がスムーズに進む点がメリットです。出庫頻度が高い商品には固定ロケーションが適しています。
一方でフリーロケーションは在庫管理・出庫管理で保管場所を特定する手間がかかるものの、スペースの有効活用が可能です。倉庫が狭い場合や、商品の出庫頻度が安定しない場合は、保管効率のよいフリーロケーションを選ぶとよいでしょう。
レイアウトの変更
倉庫内作業がしやすいようにレイアウトを変更することにより、管理業務の効率化が図れます。倉庫内で変更すべきレイアウトは、主に棚配置と通路の位置・幅です。
棚配置は倉庫内のロケーション番号に合わせて、棚ごとに番号も振りましょう。通路は作業者が通行しやすいことはもちろん、台車などが通れる幅の確保や作業動線の最適化も重要です。
また、備品類が倉庫のどこからでも簡単に持ち運び・片付けできるように、備品の保管場所も確保する必要があります。
マテハン機器の導入
マテハン機器とは商品の仕分けやピッキングに役立つ作業機器類の総称であり、導入すると倉庫の管理業務が大幅に楽になります。マテハン機器を利用していない現場では、導入を検討するとよいでしょう。
倉庫管理で使われるマテハン機器としては、主に下記の機器類が挙げられます。
- フォークリフト
- 台車
- コンベア
- パレット
- 移動ラック など
マテハン機器は導入コスト・管理維持コストなどがかかるものの、導入すると作業者の負担が軽減されて、作業ミスを減らす効果も期待できます。
ピッキングリストの活用
商品の出荷作業では、ピッキングリストを活用するとスムーズなピッキング・出荷が行えます。
ピッキングリストとは、出荷する商品の種類・個数・保管場所が記載されている指示書です。ピッキングリストがあれば、記載されている保管場所に行ってピッキングをする作業の流れが作れるため、倉庫内で商品を探し回る手間を省けます。
ピッキングリストは、商品の出荷指示を出す納品書とともに作成して、ピッキング作業者に渡しましょう。
アウトソーシングの活用
倉庫管理を担当する人員や、倉庫の設備そのものが不足していて業務効率化が難しい場合は、アウトソーシングの活用を検討しましょう。
倉庫管理のアウトソーシングを活用すると、自社の物流機能をアウトソーシング先にすべて任せることができます。人員確保や設備導入のコストがかからず、運用コストや管理の手間が発生しない点もアウトソーシングのメリットです。
物流の規模は企業によって違いがあるため、倉庫管理のアウトソーシングを活用する際は自社の物流規模に合ったアウトソーシング会社を探す必要があります。
WMSの導入
倉庫管理の効率化を図るには、WMSの導入をするという方法もあります。
WMSは「倉庫管理システム」のことで、商品が入荷してから出荷するまでの経過を追跡し、リアルタイムで在庫情報の可視化ができる管理方法です。商品が現在どの保管場所に置かれ、在庫が何個あるかなどをシステム上で一元管理ができて、作業効率を高められます。
WMSの製品によっては、システム上で受発注処理やスタッフ管理、ラベル・帳票の発行ができる機能もあります。WMSには導入コスト・運用コストがかかるものの、自社に合う製品を導入すれば倉庫管理の課題について解決が期待できるでしょう。
まとめ
在庫の把握・維持がもっぱら管理の対象となる在庫管理とは異なり、倉庫管理は倉庫業務全般が対象となる管理業務です。企業のサプライチェーンが滞りなく流れていくようにするためには、倉庫管理は非常に重大な意味を持っています。
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