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物流業界に効率化が求められている理由は?効率化のコツも解説

  • #EC物流
  • #発送代行

2024.06.24

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物流業界は、急速に変化する市場環境や技術革新の影響を受け、効率化が求められています。特に、トラック運転手の人手不足や高齢化、EC市場の拡大による宅配便の増加といった課題が深刻です。このような背景から、物流業界は従来の業務フローを見直し、効率化を進める必要があります。国も物流業界の効率化を推進する目的で物流総合効率化法を制定しているため、業務効率化を早急に進めましょう。

この記事では、物流業界の課題や効率化の方法、国の施策について解説し、各事業者が実践できる具体的な対策を紹介します。

効率化が必要になっている物流業界の課題

現在、物流業界は業界全体で効率化の必要性に迫られています。背景にあるのは、人手不足や需要の増加といった物流業界が直面している課題です。

まずは、物流業界が抱える課題について詳しく解説します。

なお、物流業界における2024年問題や働き方改革に関しては、下記の記事で詳しく解説しています。

トラック運転手の人手不足と高齢化が起きている

運送業界全体でトラック運転手の人手不足や高齢化が課題となっています。現状、中高年の運転手が物流現場を支えているため、今後中高年層が定年を迎えると、人手不足はさらに深刻化するでしょう。

国土交通省によると、トラック運転手の平均年齢は、2021年時点での普通・小型の平均が47.4歳、大型が平均49.9歳です。同じ年の全産業の平均年齢である43.4歳と比較して、高齢化が進んでいることが分かります。

また、道路貨物運送業の運転従事者数は、2015年までの20年間で21.3万人減少しました。2015年から2030年までに、さらに3割減少すると予測されています。

(出典:国土交通省「物流を取り巻く現状と課題」
https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/buturyu_douro/pdf01/03.pdf

年々トラック運転手の高齢化が進み、急速な人手不足の危機が迫る中で、少ない人数で対応できるよう効率化が求められています。

宅配便の取り扱い総数が増えている

EC市場の成長により、宅配便の取り扱い総数が増加している点も大きな課題です。人手不足にもかかわらず宅配の需要が増えたことで、トラック運転手の業務負担増加や長時間労働の原因となっています。

国土交通省が発表したデータによると、宅配便の取り扱い個数は年々増加しています。2019年に43億2,300万個だった宅配便の取り扱い個数は、翌年の2020年には48億3,600万個、2021年には49億5,300万個、2022年には50億600万個まで拡大しました。
(出典:国土交通省 令和4年度宅配便等取扱実績関係資料https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001625915.pdf

EC市場の成長に伴い、インターネットでしか購入できない商品に限らず、日用品などもECサイト経由で購入する人が増加したことが理由です。コロナ禍による外出自粛も、インターネットを使った購入スタイルの定着に拍車をかけました。

個人宅向けの宅配便は、希望の配達曜日や時間に合わせた個別の対応が求められます。大口の配送よりもトラック運転手に負担がかかるため、より多くの人手が必要であり、再配達による運転手の業務負担の増加も問題視されています。

物流総合効率化法から見る国の物流効率化策

国は物流の効率化を推進するため物流総合効率化法を制定し、物流業界の各事業者に向けてさまざまな支援や補助を行っています。

下記では、物流総合効率化法の支援対象になる物流効率化策について、詳しく解説します。

輸送網の集約

輸送網の集約とは、倉庫や物流センターなどの物流拠点を集約し、輸送ルートを減らすことです。

さまざまな配送元から預かった荷物は、中継地点となる倉庫や物流センターを経由し、納品先にトラックで配送されることが一般的です。そのため、配送元からの荷物を拠点間で輸送したり、別の拠点から複数のトラックで同じ納品先に配送したりといった非効率な業務が発生していました。

倉庫や物流センターといった物流拠点を集約すれば、納品先に届ける荷物をまとめて配送できます。荷物が1つの拠点に集約されて必要なトラックの数が減ることで、トラックの積載効率向上や運転手の省人化にも有効です。

モーダルシフト

モーダルシフトとは、トラックなどの自動車を使った輸送を、鉄道や船舶などを使った輸送手段に切り替えることを指します。

鉄道や船舶は、自動車よりも一度に大量の荷物を輸送できるため、輸送量あたりの二酸化炭素の排出量を大幅に減らせます。

国土交通省によると、1トンの貨物を1km運ぶときに排出される二酸化炭素の量は、トラックが216g-co2/t・kmであるのに対し、鉄道は20g-co2/t・km、船舶は43g-co2/t・kmでした。
(出典:国土交通省「環境:運輸部門における二酸化炭素排出量」https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/environment/sosei_environment_tk_000007.html

トラックでの輸送を鉄道や船舶に切り替えることで、環境負荷の大幅な軽減が可能です。

また、モーダルシフトは運転手の労働環境の改善や人手不足の解消にも役立ちます。

トラックで幹線輸送を行う場合、運転手に長距離輸送の負担がかかります。一方、モーダルシフトによって長距離のトラック輸送を鉄道や船舶に切り替えれば、取引先や納入先から拠点までの運転で済むでしょう。

輸配送の共同化

輸配送の共同化は、2社以上の事業者が倉庫やトラックを共同で利用し、輸配送を行う取り組みです。預かった荷物を事業者ごとに配送するのではなく、事業者の枠を超えて同じトラックで荷物を運ぶことで、物流コストを削減できます。

通常は、事業者ごとにトラックを用意し、独自のルートで荷物を配送します。積載率が低い状態でも配送を行わなくてはならず、荷物の量に関係なくトラック運転手の労働力や燃料費がかかっている状態でした。

倉庫やトラックを共同化すると、トラックの積載効率が向上し、効率のよい輸配送を行えます。トラックの本数も減らせるので、運転手の人手不足解消や二酸化炭素の排出量削減につながります。

各事業者ができる物流効率化のコツ

物流総合効率化法では、輸送網の集約・モーダルシフト・輸配送の共同化を施策として挙げています。しかし、さらなる効率化が求められることから、2024年2月に物流総合効率化法は、荷主・物流事業者に努力義務として業務効率化を求める形へと改正されました。国土交通省は商慣行の見直し、物流の効率化、荷主・消費者の行動変容について抜本的・総合的な対策が必要としています。
(出典:国土交通省「「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案」を閣議決定」https://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu01_hh_000747.html

各事業者が物流業務を効率化する方法としては、以下の3つが例として挙げられます。

作業の単純化・効率化

現場の作業内容を細かくチェックし、単純化・効率化できる部分がないか見直しましょう。単純化・効率化することでミスの発生を防ぎ、業務効率を高める効果が期待できます。

例えば、ピッキング作業でミスが多発している場合、無駄な工程やより単純化できる作業が含まれていないか見直してください。複雑な作業手順は視覚化し、作業しながら見えるように掲示したり、入荷日によって包装バンドの色を変えたりするだけでも、ミスの発生が減り効率的に業務を遂行できます。

また、動線に無駄がないように、倉庫内のレイアウトや、商品の保管場所を見直す方法もおすすめです。動線を改善し、スタッフが業務遂行の最短ルートで動けるようにすることで、より短い時間で作業を完了できるでしょう。

WMSの導入

WMSを導入する方法もおすすめです。

WMSとは、物流プロセスを効率化するための倉庫管理システムのことです。入出庫管理や在庫管理など、庫内物流を管理するための機能を搭載しており、作業の精度や業務スピードの向上が期待できます。

例えば、ハンディスキャナと連動させ、スキャンでピッキングが完了するシステムを活用すれば、ヒューマンエラーによるミスを削減できます。バーコードや番号で商品を管理し、出庫状況などをシステム上で把握することや、効率よく配送できる荷物の組み合わせや最適な配送ルートの選定も可能です。

導入コストはかかるものの、さまざまな業務をスムーズに効率化できるでしょう。

WMSについては、下記の記事で詳しく解説しています。合わせて確認してください。

業務のアウトソーシング

業務のアウトソーシングも、物流業務効率化の1つの方法です。

自社で対応が難しい業務は、外部に委託すればリソース不足を柔軟に解消できます。作業品質や対応スピードを維持したまま、機会損失なくサービスを提供できるため、取引量の拡大も可能です。

例えば、保管スペースが不足する繁忙期に限り、保管や在庫管理を外部倉庫に委託したり、帳簿発行や棚卸などの一部の業務を外部人材に委託したりできます。

専門業者にアウトソーシングすることで、自社の負担を軽減し、捻出した時間をマーケティングや新商品の開発などといった物流以外の業務に活用できます。費用対効果を考慮した上で、アウトソーシングを検討してみましょう。

物流アウトソーシングの詳細や委託先企業の選び方については、下記の記事が役立ちます。合わせてお読みください。

物流効率化の成功事例

アウトソーシングによる物流効率化に成功した事業者様の例として、合同会社ユウボク様の例を紹介します。

ユウボク様は、ノマドワーカー向けの収納ポーチやリュックを販売しており、商品の販売や発送にあたって、固定費と発送業務の手間を削減したいと考え株式会社清長が提供する発送代行サービス「ロジモプロ」を導入していただきました。

現在は、注文管理システムと併用することでバックヤード業務や出荷作業の自動化を実現し、効率的に業務を行えています。

発送代行サービス「ロジモプロ」のご利用事例の詳細はこちらからご覧いただけます。

まとめ

物流業界の効率化は、現在の人手不足や需要の増加といった課題を解決するために不可欠です。国の支援策や事業者ごとの取り組みを活用することで、効率的な物流業務の実現が期待されます。特に、輸送網の集約やモーダルシフト、共同配送の導入は、物流コスト削減や環境負荷の軽減に寄与します。

また、各物流事業者に対しても、国は努力義務として業務効率化を求めているため、作業の単純化・効率化やWMSの導入、業務のアウトソーシングといった施策が必要です。

ロジモプロは中小ECに最適な物流サービスです。初期費用・月額固定費0円で、利用分だけお支払いいただければよいため無駄なく活用できます。商品1個・出荷1件から、最短1週間で委託が可能です。物流業務の効率化に悩んでいる方は、ぜひロジモプロにご相談ください。

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