企業の競争力を維持するためには、物流コストの管理が不可欠です。物流コストは、単なる輸送費だけでなく、保管費や人件費、システム管理費など、さまざまな要素が含まれます。特に近年、ガソリン価格の高騰や働き方改革によるドライバー不足、配送頻度の増加などが物流コストを押し上げる要因となっています。
本記事では、物流コストの内訳を詳細に解説し、これらのコストが企業の収益にどのように影響を与えるかを探ります。物流コストの最適化を図り、企業の収益性と効率性を向上させましょう。
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物流コストとは?内訳やコストが高騰する原因・削減方法を解説
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2024.06.24
目次
物流コストとは?
物流コストとは、物流業務において生じる費用の総称です。輸送料などの送る際にかかるものだけでなく、在庫を保管しておく倉庫を借りる上での費用や、スタッフの人件費など、物流に関わる幅広いコストのことを指します。
売上に対する物流コストの割合が高すぎる場合、減少させることで収益の上昇につながります。物流コスト削減を目指すためには、自社でどういった物流コストがどのくらい発生しているのかを今一度確認することが重要となるでしょう。
物流コストの内訳
物流コストは、機能ごとに分類すると4種類に分けられます。以下では、主に発生する物流コストについて紹介します。自社で発生している物流コストの実態を把握する上での参考にしてみてください。
輸送・運送費
商品を運送する際に発生する費用です。具体的には、以下のようなものが挙げられるでしょう。
輸送・運送費の例
- 車両のチャーター費
- 宅配便における送料
- 自社の車やトラックのガソリン代
- 配送する際に必要となる資材の代金
物流コストと聞いて最初に思い浮かびやすいコストであり、可視化もしやすい部分だと言えます。数ある物流コストの中でも多くの割合を占めるケースがほとんどであるため、優先的に削減すべき点であると考えてよいでしょう。
荷役費
荷役費とは、入荷・出荷といった荷役作業を行う上で発生するコストのことです。具体的には、運搬や仕分け、ピッキングなどにかかる費用が挙げられるでしょう。ピッキングなどの作業方法を見直すことで、効率化が可能であり、荷役費の削減が期待できます。
保管費
保管費は、商品を配送するまでの間、倉庫などに保管する際に発生するコストです。商品を保管するために必要となる倉庫のレンタル料や、倉庫を維持する上でかかる費用、商品を守るための火災保険料、防虫対策にかかる費用などが挙げられるでしょう。商品の管理にフォークリフトなどの運搬機械を用いる場合、運搬機械のメンテナンスや検査を行う際にかかる費用も含まれます。
倉庫で保管しておく際にかかる費用は、商品の重さによって変わるケースもあれば、使用するスペースの広さによって変わるケースもあります。商品が小さいにもかかわらず大きな倉庫を借りていると、ムダに費用がかかる要因となるため、商品のサイズに合った倉庫を利用しましょう。
加えて、過剰在庫についても注意が必要です。過剰在庫が大幅に残っている場合、それらの在庫が保管費を余計に圧迫しているケースも少なくありません。保管費が多い会社は、在庫データについて今一度見直す必要があります。
管理費・人件費
管理費とは、物流システム・受発注システムを導入したり、運営したりする上でかかる費用です。システム導入には大きな初期費用がかかるため、システム選定を慎重に行い、余分なコストが発生しないよう注意が必要です。
人件費は、物流に関わるスタッフの給与を指します。物流に関わるスタッフの具体例としては、システムを管理するスタッフや営業スタッフなどが該当するでしょう。直接物流に携わるスタッフだけでなく、そのスタッフを採用したり、教育したりするスタッフの給与も人件費に含まれます。作業を効率化することで、必要な人員が少なくなり、人件費を削りやすくなるでしょう。
物流コストが高騰している原因
物流コストが高騰している原因は、以下の3点です。原因について知っておくことで、コスト削減を行っていくための施策を打ちやすくなるでしょう。
- ガソリン価格の高騰
ガソリンは、多くの輸送方法において必要不可欠となる要素です。そのためガソリン価格が高くなったことで、輸送費が打撃を受けています。ガソリン価格の高騰による物流コストの圧迫を減らす上では、ガソリン関連のニュースを常に確認し、価格の変動を予測しながら臨機応変に対応するのがポイントです。 - 2024年問題(ドライバー不足)
2024年問題とは、働き方改革関連法により、トラックドライバーの時間外労働が上限960時間となった結果発生する問題です。時間外労働の規制により、これまで多くの時間外労働をしてきたトラックドライバーの収入が減少します。それにより、辞職するトラックドライバーが増え、ドライバー不足に陥るリスクが懸念されます。 - 積載効率低下と輸送頻度増加
物流の需要が高まった結果、大きめの商品だけでなく、小さめの商品についても輸送を行うシーンが増えました。小さな商品は運搬時に空きスペースが生まれやすいため、積載効率が低下します。その結果、輸送や運搬を実施する頻度が増加し、それに伴って物流コストも増えるという問題が発生しています。
世間の動向などの関係で物流コストが高騰しつつある今、積極的な物流コストの削減に取り組む必要があるでしょう。
物流コストを削減する方法
物流コストを削減する方法としては、以下が挙げられます。下記の内容を実践することで、作業効率が上がったり、人件費などが軽減されたりする結果となり、物流コスト全体にもポジティブな影響を与えやすくなるでしょう。
物流拠点を集約する |
物流拠点が多いと、商品を保管するための倉庫が多くなり、レンタル料や運用するスタッフの人件費などが高くつきます。現在全国に拠点を配置している場合、数か所に集約する施策を検討してみましょう。物流拠点を集約することで、商品の一括運送が可能となり、輸送費の削減が期待できます。保管費・人件費も削減しやすくなり、あらゆる点から物流コストを低下させる結果につながるでしょう。 |
物流管理システムを導入する |
物流管理システムを利用すると、輸送・保管・包装といった物流において欠かせないフェーズを一元管理でき、業務が効率化されます。検品・配車管理といった業務については自動化されることから、人件費の削減にもつながるでしょう。物流管理システムの導入そのものにもコストがかかるというデメリットがあるため、高い費用対効果が期待できる場合のみ導入するのがおすすめです。 |
物流アウトソーシングを利用する |
物流に関する業務をアウトソーシングすることで、知識がなくても物流コストを削減できます。現在行っている業務の一部を行わなくてよくなるため、空いた時間を活用し、そのほかの業務やさらなるコスト削減の施策に注力しやすくなるでしょう。
アウトソーシングすると、請求が発生します。その請求を見ると、どういった作業にどのくらいの費用がかかっているかが分かるようになり、物流コストの見直しが行いやすくなる点もメリットと言えます。物流を行う上で発生したトラブルについても、アウトソーシングした会社が対処してくれるため、トラブル対応に追われて生産性が下がることも防止できます。 |
まとめ
物流コストの削減は、企業の収益性向上に直結する重要な課題です。物流コストは輸送費、荷役費、保管費、管理費・人件費など多岐にわたり、それぞれの要素を適切に管理することが求められます。物流コストの最適化を通じて、持続可能な経営を目指しましょう。
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