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物流倉庫の自動化はメリットが大きい|課題点や成功事例も解説

  • #EC物流
  • #発送代行

2024.04.01

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過去に手作業で行われていた倉庫業務をデジタル技術により自動化し、省人化・効率化を進めることは、人手不足が慢性化する物流業界においてとても重要です。ただし、自動化に使われる技術は多様なため、今後倉庫業務を自動化するにあたって、何をすればよいのか悩むケースもあるでしょう。

この記事では物流倉庫を自動化するメリット・デメリットや、自動化に使われる代表的なテクノロジー、自動化の成功事例を解説します。自社倉庫の自動化・効率化に悩まれている方は、ぜひご一読ください。

物流倉庫の自動化とは

「物流の自動化」とは、システムやロボットを利用して、物流業務の一部を自動化することです。物流といっても、入荷から出荷までにはさまざまな工程があります。すべての工程をコンピューターに任せるのではなく、全体の効率化を図るために倉庫業務の一部を自動化する取り組みが進められています。

現在では物流倉庫を新設する際、作業の大半を自動化仕様にしている企業も少なくありません。一方既存の物流倉庫においても、「入庫~仕分け作業」の工程にて自動化を導入し、人的作業と併用させるスタイルが増えてきています。

物流倉庫の自動化を進める必要がある理由

今、ロボットやコンピューターシステムを使って倉庫業務の自動化を進めることは「もはや必要不可欠」と言われる時代です。その理由は、大きく分けて2つあります。

  • EC需要の増加           
  • 業界の人手不足

EC(Electronic Commerce)とは、インターネットを介して商品やサービスを売買する「電子商取引」のことです。近年では、ライフスタイルの変化にともないECサービスの需要が年々増加傾向にあります。小口配送が中心であるEC市場が拡大している事に伴って、物流の需要も右肩上がりで伸びています。

また、物流業界は慢性的な人員不足に陥っている状況です。求人を出しても希望通りの採用ができないケースも多く、2019年時点では常用労働者の不足に加え、約7割の企業が商品を配送するドライバーの不足を感じています。

物流分野における労働力不足については国土交通省も問題視しており、物流のデジタル化や構造改革を加速度的に促進させる「簡素で滑らかな物流」の実現が必要としています。
(出典:国土交通省「最近の物流政策について」/https://www.mlit.go.jp/common/001388194.pdf

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物流倉庫を自動化するメリット・デメリット

物流倉庫を自動化すると、人手不足の解消や人件費削減などのさまざまなメリットが見込まれます。一方で、運用には一定の課題があるため、それぞれを知った上で導入を進めるのが重要です。

メリット・デメリットをそれぞれ3点ずつ解説します。

物流倉庫を自動化するメリット・利点

物流倉庫を自動化するメリット・利点は、以下の3点です。

生産性向上
自動ピッキングロボットやコンベヤベルトシステムなどの自動化機器は、倉庫内の生産性や業務効率を飛躍的に向上させます。手作業と比べ、作業サイクル時間を大幅に短縮できるため、多くの注文を短い時間で素早く捌くことができるでしょう。
繁忙期であっても業務の品質は一定に保たれるため、安心して受注量を増やすことも可能です。

 

ヒューマンエラーの防止
自動化システムは高速かつ正確に作業を実行するため、手作業でどうしても発生してしまうヒューマンエラーを防ぐことができます。ピッキング漏れや配達先間違いなど、会社の信用に関わるミスを防げるのは大きなメリットです。
また、人による作業は、作業者の対応力や熟練度・モチベーションなどさまざまな要因によって進捗に変動が起きてしまいます。一方で、自動化された業務は常に業務品質を一定の水準で保ちます。

 

人的コストの削減
従来であれば複数人で行っていた作業を、ロボットやコンピューターシステムに任せることになるため、人件費を最小限に抑えられます。繁忙期に合わせて、臨時で従業員を確保する手間もなくなるでしょう。
省人化が実現されることで、人材育成コストや求人コストもカットできるため、結果的に経営コストの削減につながります。


このように、物流倉庫の自動化には大きな可能性があります。

物流倉庫を自動化するデメリット・課題点

物流倉庫を自動化するデメリット・課題点は、以下の3点です。

従業員のリテラシー不足
高性能な物流ロボットを導入しても、従業員の理解不足により思ったよりも作業が捗らないというケースがあります。導入段階で作業フローの改訂、ルール作りを行うだけでなく、業者選定の時点で現場の意見を吸い上げ、使いやすい機器の導入を進めてください。

 

導入・維持コストの発生
自社のキャパシティに合わない自動化を進めると、導入費で経営の首を絞める結果になりかねません。またシステム導入コストだけでなく、維持費(ランニングコスト)・メンテナンス費用もかかります。
どの程度の金額であれば、無理なく導入費や維持費をかけられるかを事前に把握し、かかるコストと自社にもたらす利点を総合的に判断しましょう。

 

 運用する体制づくりが必要
自動化システムを導入するにあたっては、システム側に合わせた業務フローの改訂やレイアウトの再編が必要になります。通常業務と平行して、運用ルールや社内での認識を統一することは簡単なことではありません。運用体制を整える為に必要なステップをきちんと理解し、事前準備をしっかりと行うことが求められます。


便利になるからといって安易に導入するのではなく、デメリットや注意するべき点もしっかりと理解した上で、慎重に検討を進めましょう。

物流倉庫の自動化に使われる代表的なテクノロジー

物流倉庫の自動化に使われる代表的な技術を4つ紹介します。

  • 自動搬送ロボット(AGV・AMR・GTPなど)
    倉庫内にある商品を移動する際に用いられるのが、自動運搬ロボットです。無人搬送ロボットや無人搬送機とも呼ばれます。主として、AGV(無人搬送車)・AMR(自律走行搬送ロボット)・GTP(棚搬送型ロボット)が使われます。

    AGVは搬送ルートに張られた磁気テープなどに沿って動き、商品を自動運搬するため導入の際には倉庫のレイアウト変更が必要です。AMRは高度なAIにより自己判断して最適ルートで荷物を搬送するため、レイアウト変更が不要です。GTPは商品を置いた棚をロボット化するシステムで、必要に応じて棚が作業者のところに移動します。

  • 自動ピッキングシステム
    ピッキングする商品のバーコードを読み取ると、自動的に棚から取り出されるシステムや、ピッキング商品が指示通りかどうかを自動チェックするシステムを指します。自動搬送ロボットと連携し、棚から取り出された商品をロボットが指定された位置まで配送するシステムもあります。
  • 倉庫管理システム(WMS)
    入荷・在庫・出荷の3要素のデータを管理するシステムで、適切な在庫管理に有効です。手動でのデータ入力で起きがちなヒューマンエラーを防ぎ、よりデータの精度を高めることができます。熟練度によって精度にムラが出やすい作業を自動化することで、属人化を防ぎ、倉庫内業務のスピードを均一化します。
  • 自動梱包機
    自動梱包機の種類はさまざまで、自動化可能な作業としては製函(箱の組み立て)、包装、封函などが挙げられます。なお、これらの作業を一括で行う「自動梱包ライン」という設備を提供している企業もあります。

    自動梱包ラインでは製函~梱包~封函~送り状伝票貼付までを全て自動化できるケースもあり、梱包効率を大幅に向上可能です。

ほかにも、AI物流ロボットや仕分けロボット・デジタル検品システムなど物流を支える自動化技術は数多く開発されています。

物流倉庫の自動化成功事例

中小物流事業者の自動化・機械化やデジタル化の推進に向けて、国土交通省が公開した資料「物流・配送会社のための物流DX導入事例集」から、自動化の成功事例を2つ紹介します。

 坂場商店
坂場商店はデパレタイザー(自ら判断して荷下ろしを自動的に行うロボット)を導入し、複数種類のケースが不規則に積まれている荷下ろし作業を自動化しました。

導入までは、毎日1万ケースの商品をパレット上から仕分け機につながるコンベヤに投入する作業をすべて手作業で実施していました。自動化を進めたことで、高さのある積荷や重い商品も安定して荷下ろしできるようになり、労働環境の大幅な改善につながっています。

(出典:国土交通省物流「物流・配送会社のための物流DX導入事例集」/https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/content/001609016.pdf#page=8

 ダイキン工業 西日本パーツセンター
ダイキン工業 西日本パーツセンターではハンドリフト牽引型のAGVを導入し、大きな作業ウエイトを占める入出庫搬送(最長往復約500m)を自動化しました。

これまでは、中物部品の入出庫搬送をリフターやフォークリフト・手動のハンドリフトで行っていました。自動化により最大500kgの荷物を人が引く速度に近い速さで自動搬送させることに成功し、生産性が15%向上・2名相当の省人化という効果が得られています。

(出典:国土交通省「物流・配送会社のための物流DX導入事例集」/https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/content/001609016.pdf#page=10

まとめ

EC需要の増加と人手不足の慢性化により、物流倉庫の自動化は今後必須となっています。自動化によって倉庫業務が効率化され、生産性向上やヒューマンエラーの防止、人的コストの削減が可能です。ただし、自動化のための各種システムや機器の導入・維持にはコストがかかり、自動化を受け入れる体制づくりや従業員教育が必要になります。

自社倉庫を持つEC事業者・配送業者の方で、自社の倉庫を自動化するのが難しい方は、アウトソーシングを活用するのもおすすめです。

株式会社清長が提供する発送代行サービス「ロジモプロ」はWMSや自動梱包機を活用した業務自動化と、18年以上EC物流に携わってきたノウハウにより、正確性と効率性の高い物流業務を行います。自社の物流業務をより効率よくしたい方は、ぜひロジモプロにご相談ください。

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