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化粧品物流の特徴・出荷作業の流れ|アウトソーシングのメリットも

  • #EC物流
  • #発送代行

2024.06.21

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化粧品の物流には、他の商品の物流とは異なった特徴があります。化粧品は直接肌に触れる商品であるため、保管場所の衛生管理を徹底しなければなりません。また、行政による許可を受けた倉庫を使用することも、化粧品の管理では求められます。

この記事では、化粧品物流の特徴・出荷作業の流れについて、詳しく解説します。また、化粧品物流にはさまざまな課題があり、その課題を解決する手段としてのアウトソーシングについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

化粧品物流の特徴

化粧品物流は、化粧品を取り扱う専門的な物流を指します。化粧品は、肌に直接触れる商品であるため、保管場所の温湿度管理や衛生管理の徹底が必須です。そのため、化粧品物流では「化粧品製造業許可」における「包装・表示・保管」の許可を得た上で、専用倉庫を使用した入出荷や在庫管理、検品を行わなければなりません

一口に化粧品と言ってもスキンケアやメイクアップ、ヘアケアなど多岐にわたるため、管理が複雑になります。また、卸売・百貨店・ECサイトなど多様な販売チャネルに応じた納品ルールと物流戦略が求められます。さらに、含有成分によっては危険物として取り扱わなければなりません。

このように、化粧品物流業務は専門的な知識と厳格な管理が求められる分野です。

(出典:e-Gov 法令検索「昭和三十五年法律第百四十五号医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」/
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000145
(出典:東京都健康安全研究センター「2 化粧品と医薬品医療機器等法について」https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/k_yakuji/i-sinsa/cosmetics/cos_yaku/
(出典:福岡県「初めて医薬品、医薬部外品、化粧品の製造・輸入を考えている方への情報ページ」/https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/kyokatebiki.html

化粧品物流での出荷作業の流れ

一般的に、化粧品物流の出荷作業は以下のように進行します。

(1) 検品作業
管理場所に届いた化粧品が、発注通りの種類や数量であるか、損傷や異物がないかをチェックします。判定基準は事前に詳細を取り決め、標準化しておかなければなりません。

 

(2) ピッキング・梱包作業
受注内容に基づいて倉庫から商品をピッキングし、丁寧に梱包します。ギフト用のラッピングが必要な場合も少なくありません。

 

(3) 同梱物の確認・出荷ラベルの作成・チェック
商品パンフレット・挨拶状・サンプル品などの同梱物に漏れがないか、送り先の住所や商品購入者氏名、配送方法を確認し、出荷ラベルを作成します。

 

(4) 管理データ作成
出荷前に、商品の管理データを作成・整理します。在庫管理やトレーサビリティに重要であり、後の返品処理や顧客対応にも役立つデータです。

 

(5) 出荷対応
運送業者などを介し、販売店や消費者へ発送します。

 

(6) 返品処理
商品到着後、不備や不満点があった場合は返品されることがあります。品質をチェックした上で、必要に応じて商品交換や廃棄処理を行わなければなりません。返品データは製品改善に役立てられます。

 

化粧品物流の課題

化粧品物流は、品質管理や法令遵守が求められる業務です。そのため、通常の物流とは異なる課題が発生し、手間やコストが増えるケースが珍しくありません。以下では、化粧品物流ならではの代表的な4つの課題を解説します。

繁忙期の負担が大きい

ギフト需要が増加する繁忙期には、物流業務が大きな負担となります。母の日やクリスマスなどのギフトシーズンには、化粧品の出荷量が大幅に増加するのが一般的です。同時に、ギフトシーズンにはギフトパッケージの依頼やメッセージカードの同梱など、通常業務に加えて特別な流通加工対応が求められます。

そのため、スタッフの作業負荷が増し、ミスが発生しやすくなります。また、繁忙期に対応できる人材の確保・教育や、商品の保管場所の確保にもコストが必要です。このように、繁忙期の負担をどう軽減するかが、化粧品物流における大きな課題となっています。

品質管理が複雑で難しい

化粧品は温度や湿度の変化に敏感で、品質管理が難しい商品です。直射日光や高温多湿の環境では品質が酸化・変質しやすいのと同時に、低温下で劣化する商品も少なくありません。そのため、適切な温湿度管理が必要であり、特に夏場や冬場には保管場所の厳重な温度管理が必須です。

さらに、肌に直接触れる化粧品は、衛生管理も徹底しなければなりません。また、化粧品の多くは使用期限が設定されており、在庫管理も複雑です。これらの要素が組み合わさることで、化粧品の品質管理は非常に難しくなります。

危険物としての取り扱いが求められる場合がある

一部の化粧品は、危険物として取り扱う必要があります。化粧品には、アルコールやアセトンのように引火性のある成分や、高圧ガスを含んでいる商品が多くあります。これらは法律で危険物に指定されており、ものによっては専用の危険物倉庫で保管しなければなりません。

また、保管数量や取扱方法に関する規制も厳しく、自治体ごとに定められた条例にも個別に対応する必要があります。危険物の取り扱いには専門的な知識と設備が必須であり、化粧品物流の煩雑さが増す要因の1つです。

輸入化粧品の扱いに手間がかかる

化粧品は、日本の薬機法に基づいて情報を記載する必要があります。しかし、海外からの輸入品は現地の法・言語で商品情報が記載されているケースが大半です。日本国内で化粧品を販売するためには、日本の薬機法に沿った表示に変更しなければなりません。

たとえば、ラベルの貼り替えやパッケージの変更が必要であり、これらの流通加工作業は入荷した商品すべてに対して行う必要があります。基本的には手作業となり、扱う商品のバリエーションが多くなればなるほど、ラベル貼り替え作業は非常に面倒かつ煩雑です。慣れていない人が担当すると、ミスや作業停滞の原因になります。

化粧品物流の課題を解決できるアウトソーシング

化粧品物流に関する課題を解決する方法の1つとして挙げられるのが、アウトソーシング業者の活用です。以下では、化粧品の物流をアウトソーシングする場合のメリットとポイントをそれぞれ紹介します。

化粧品物流をアウトソーシングするメリット

化粧品物流をアウトソーシングすることで得られる代表的なメリットは、以下の通りです。

(1) 自社の人材をコア業務に専念させられる
物流業務に貴重な人員を割く必要がなくなれば、自社の人的リソースは重要な商品企画・開発や販促、顧客対応などの本業に専念できます。特に繁忙期の人員シフトが大変な企業では、効率性の改善が見込めるでしょう。

 

(2) ミスやリスクが低減される
専門業者であれば、化粧品の取り扱いに関する知識と経験は豊富です。保管・作業時の温度や湿度管理をはじめ、適切な環境で製品を取り扱うことができます。また、検品から梱包までの作業も、ノウハウを持つ熟練スタッフが確実に行うため、誤出荷などのリスクが抑えられるのもメリットです。

 

(3) コスト削減が期待できる
物流の内製化には人件費や設備投資など多額の費用がかかりますが、アウトソーシングであればそうしたコストを抑えられます。また、繁忙期と閑散期の需要変動にも柔軟に対応できるため、無駄な物流コストを抑制できるでしょう。

 

化粧品物流をアウトソーシングする場合のポイント

化粧品物流をアウトソーシングする際は、以下の点に注目することが重要です。

(1) 「化粧品製造業許可」「医薬部外品製造業許可」を取得している業者を選ぶ
化粧品や医薬部外品の梱包や表示作業には、薬機法に基づく許可が法的に義務づけられています。許可のない化粧品物流サービス業者に委託した場合、委託元企業も処罰の対象となるリスクがあることを覚えておきましょう。

 

(2) 適切な保管環境と正確な在庫管理ができるか確認する
温度や湿度の影響を抑える保管環境や、ロット単位の正確な在庫管理とトレーサビリティの確立が求められます。さらに、先入れ先出しルールの運用と、タイムリーに在庫確認できるシステムが確立されているか否かも重要です。。

 

(3) 作業の正確性と品質管理体制を確認する
商品の品質とブランドイメージを守るには、作業ミスを防ぐ体制が不可欠です。作業手順の標準化や作業員教育、チーム制での確認体制などが整っているかを確認しましょう。また、立地条件がよければ人材を確保しやすく定着率も高いため、品質を維持しやすい傾向にあります。

 

まとめ

化粧品物流には、繁忙期の負担の大きさ・品質管理の複雑さなどの課題があります。これらの課題を解決するために、アウトソーシングを活用することがおすすめです。ただし、化粧品物流をアウトソーシングする場合は、化粧品製造業許可を取得している業者を選択しなければなりません。

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