アパレル物流は、ファッション物流と呼ばれることもあり、主に衣類や靴をはじめとしたアパレル製品が製造拠点から倉庫を経て顧客へと出荷されるまでの流れを指します。
アパレル物流業界に携わっていると、煩雑化した在庫管理や返品対応など、さまざまな課題に直面するケースも珍しくありません。
当記事では、アパレル物流の概要や特徴を解説するとともに、アパレル物流業界が抱えている課題や課題を解決するための方法、代行サービスのメリットなどを紹介します。
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アパレル物流とは?特徴や業界が抱える課題の解決方法などを解説
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2024.05.24
目次
アパレル物流とは?
アパレル物流とは、衣類・靴・帽子・アクセサリーなどが製造拠点から倉庫へと運搬されて、顧客向けに出荷されるまでの流れです。アパレル物流は、ファッション物流と呼ばれることもあります。
アパレル物流倉庫が商品を受け入れてから出荷までの主な流れは、以下の通りです。
1 | 検品、仕分け |
2 | 保管 |
3 | ピッキング |
4 | 流通加工 |
5 | 出荷前の検品、検針 |
6 | 梱包、出荷 |
アパレル物流の出荷は、個人消費者に配送するパターン(BtoC)・百貨店などの販売店に配送するパターン(BtoB)の2種類があります。商品が返品された場合に適切な対応を取ることも、アパレル物流倉庫の仕事です。
アパレル物流の特徴
アパレル物流には、以下3つの特徴があります。
- 取り扱う製品のSKUと在庫量が多い
- 製品ごとに適した環境での保管が必要になる
- 流通加工(物流加工)が必要になる
SKUとは、在庫管理を行う際の最小管理単位です。アパレル物流ではサイズ・色違いの製品を別商品として扱うことから、SKUは多くなる傾向があります。アパレル物流では、常に変化するファッショントレンドや季節需要への対応が必要で、在庫量も膨大です。
アパレル商品の保存状態は、気温や湿度の影響を強く受けます。劣化を防止するためには温度や湿度を調整し、各商品に適した保管環境を維持する配慮が欠かせません。スーツのように型崩れしやすい製品は、ハンガーラックを使用して保管するケースもあります。
タグ付け・不良品の補修・プレス加工といった「流通加工」を行うことも、アパレル物流倉庫の役割です。そのため、アパレル物流倉庫では、アパレル分野の仕事内容にも精通した作業者を確保する必要があります。
アパレル物流業界が抱える課題
アパレル物流業界には特有のルールやオペレーションが多数あり、出荷までに時間がかかってしまうことや在庫管理が煩雑化しやすいといった課題があります。出荷した商品が返品された場合に適切な対応を取らなければならない点も、アパレル物流業界特有の課題です。
以下では、アパレル物流で直面しやすい3つの課題をより詳しく解説します。
受注から出荷までに時間がかかる
アパレル物流倉庫では、流通加工・検品・検針といった、一般的な物流で行わない作業が発生します。検品とは商品を製造中に付着した汚れやほつれを探し、品質を確認する作業を指します。検針は、商品に針が混入していないことを確認する作業です。
流通加工・検品・検針はいずれも商品の安全性や品質を担保するための重要作業であるものの、一定の時間と手間がかかります。想定以上に時間がかかれば、出荷予定日に間に合わず遅延を起こしかねません。
出荷の遅延は、顧客の信頼を大きく損なう要因の1つです。ショッピングモールに出店しているアパレル企業の場合は、遅延によってペナルティを受け、売り上げに影響するリスクもあります。
在庫管理が煩雑化しやすい
アパレル物流では、膨大な種類・量の商品を扱うことから、在庫管理が煩雑化するケースもあります。在庫管理が煩雑化していると、経験の浅い担当者やアルバイトは作業を担当できません。特定の担当者に過度な負担がかかる場合、生産性に支障が出る可能性もあります。
また、在庫管理が煩雑化した状態を放置すると、現在の担当者が急に休職・退職した際、臨機応変な対応を行うことが困難です。臨機応変な対応を行えずに在庫管理が滞れば、物流業務全体に支障が生じかねません。
在庫管理の課題を解決するためには、倉庫管理システムの導入を検討しましょう。倉庫管理システムとは、商品の入荷から出荷までの各工程をオンラインで管理する体制を構築し、業務効率化を支援するシステムです。
多くの倉庫管理システムには、在庫管理の一部を自動化する機能も搭載されています。自動化によって担当者の負担を軽減すれば、人的ミスの抑制を図れるでしょう。
返品が起こりやすい
アパレル業界では、顧客都合の返品が頻繁に起こります。「手元に届いた製品のサイズが合わない」「イメージと異なる」などの理由で返品されることも珍しくはありません。
アパレル物流では、返品された商品の汚れ・臭いなどを1つずつ確認し、再販できるか判断します。返品が頻繁に起こるほどアパレル物流側の負担は重くなり、担当者に多大な負担がかかりかねません。
アパレル物流の課題を解決へと導く代行サービスのメリット
アパレル物流の内製化は担当者への負担が大きく、管理ミスや出荷遅延を引き起こすリスクもあります。アパレル物流の課題を解決するためには、代行サービスの活用も考えましょう。
以下では、アパレル物流で代行サービスを活用する主なメリットを紹介します。
業務負担の軽減につながる
アパレル物流の代行サービスに業務の一部を委託すると、担当者の負担を軽減できます。代行サービスに委託できる業務の内容は多様です。例えば、流通加工を委託すると、アパレル分野のノウハウと物流作業の両方を理解している担当者を、自社で確保する必要がなくなります。検品作業や返品対応などの負担が大きい業務を委託すれば、大幅な負荷軽減を図ることが可能です。
ただし、物流の代行サービスを提供する業者のすべてが、アパレル物流特有のノウハウを熟知しているとは限りません。委託先を選択する際には、事前にアパレル物流の実績を聞き、信頼度を判断しましょう。
商品の品質を高く保てる
アパレル物流の代行サービスを利用すると、専門知識豊富なプロに業務を委託できます。検品・検針をプロに委託すれば作業の精度が高まり、より高品質な商品を顧客に提供できるでしょう。
流通加工を物流代行サービスに委託すれば出荷前の製品にさまざまな加工を施し、付加価値を高めることが可能です。在庫管理や発送業務も代行サービスに委託すれば、梱包や発送ミスを抑制できます。
個人情報の取り扱いが厳格化している近年では、1件の誤配送がブランドイメージを大きく損なう可能性も否めません。顧客の信頼を得て安定的にビジネス展開するためにも、代行サービスの利用を検討しましょう。
物流にかかるコストを抑えられる
十分な人数の担当者と商材に合わせた設備を確保し、アパレル物流を行うためには、多額のコストが発生します。倉庫内の温度や湿度を適切に調整するには、光熱費の支払いも必要です。繁忙期に合わせた固定のコストを閑散期に支払うことは、アパレル企業の経営を圧迫しかねません。
多くの物流代行サービスでは、作業量に応じて料金が変動するシステムを採用しています。代行サービスを利用すれば閑散期にかかるコストを抑えて、経営の安定を図ることが可能です。アパレル物流のすべてを代行サービスに委託する場合には、設備投資費用や倉庫管理システム利用料も節約できます。
ただし、アパレル物流のすべてを委託するためには通常、一定の初期費用が必要です。コストを抑える目的で代行サービスを利用する場合には費用対効果を試算し、自社にとってのメリットが大きいかを判断しましょう。
まとめ
アパレル物流業界では、受注から出荷までに時間がかかることや、在庫管理が煩雑化しやすいことのほか、返品が起こりやすいといった課題を抱えています。それらの課題を解決するためには、物流代行サービスを利用するのも対策の1つです。
株式会社清長では2006年より物流代行サービスを提供しており、多くのアパレル事業者様をサポートしてきた実績があります。
初期費用・固定費0円で基本的な発送業務を委託できる「ロジモプロ」、流通加工や返品など細かい業務にも対応できるカスタマイズ型の「ロジプレミアム」の2サービスを展開しており、事業規模や課題などに合わせて柔軟なご提案が可能です。
アパレルの物流業務にお悩みの方は、是非ご相談ください。