ロジモプロ
アカデミー
委託可能な発送業務(物流業務)の範囲とは?
- #EC運用
- #発送代行
2022.04.08
目次
はじめに
物流委託と言っても、商材や専門性に特化した様々な物流倉庫が存在しております。
実際にどのようなサービスを行っているかは委託先の倉庫によっても大きく異なり、実際に物流倉庫を検討する際には事前に具体的なサービス内容を理解し、委託する業務範囲を決めておくことが重要です。
基本的な委託業務から、流通加工、付帯作業、設備や許認可等についてご紹介します。
一般的な物流委託業務
委託先の倉庫により範囲は様々ですが、大きく分けて以下の5つの業務は基本的に委託可能な場合が殆どです。
■入荷・検品
商品を入荷し、検品を行います。検品業務では、箱潰れが無いか確認をしたり、予め入荷する数量がわかっている場合は、予定の数量と実際に入荷した商品が合っているかの確認を行ったりします。
■棚入れ・保管
入荷した商品を棚に格納・保管します。委託先倉庫がWMSを使っている場合は、どの棚に何が何個ある、といった管理をシステム上で行います。
■ピッキング
伝票や指示書に基づいて、商品を取り出す作業を行います。
■梱包
発送する商品を傷つけないよう段ボールや袋等に詰めて発送可能な状態にします。
商材によっては、緩衝材(クッション材)等を用いて梱包を行います。
■出荷
指定された運送会社の送状ラベルを貼付し、運送会社への引き渡しを行います。
流通加工業務
流通加工とは、流通の過程で商品の価値を高めるために施す加工全般を指します。
内容は非常に幅広く商品によってさまざまな加工が施されます。
■ラッピング
簡易的な袋状のラッピング袋に入れるものや、ラッピング包装紙を用いてのデパート包装やリボン掛け
■チラシ・ノベルティの同梱
販促用のチラシや、ノベルティの同梱。定期購買等では、購入回数に応じた複数のパターンに対応している場合もあります。
■ロット・賞味期限管理
商材によっては、ロット別や賞味期限別に保管することもできます。
食品や医療・化粧品関連に用いられます。
■品質検品
商品の状態や、破損や不良等がないか入荷時や、出荷時に基準を設けてチェックします。
■検針
アパレル等については、折れた針が商品に残っていないかを調べます。
金属探知機やX線検査機を用いて検査します。
■タグ付け
値札、商品の品質などが印刷されたタグを商品に付けます。
輸入品など、国内流通用に素材の品質や取り扱い表示を付けたり、百貨店オリジナルのタグを付けたりします。
■アソート・アッセンブリー
ギフトセットやトライアルセットの詰め合わせや、商品パッケージや販促物の組み立てや封入作業を行います。
流通加工は商品の質を上げるために必要な工程であり、手を抜かず行う必要があります。商品のどんな価値を高めたいか、どういった印象を与えたいか、取引先の要望にどこまで応えるかによって流通加工の内容は大きく変わるので、まず流通加工の目的を明確にしてから流通加工の内容を決めていくとよいでしょう。
商材に合わせた専門的な設備や許認可が必要な委託業務
物流委託を検討するうえで、一部の商品においては注意が必要です。
食品や一部化粧品においては、一定の温度管理が必要な場合や、許認可が必要な場合もあります。
必要な設備や、許認可を有していない倉庫には、そもそも業務委託ができない場合がありますのでそのあたりも確認してみましょう。
~設備~
■常温倉庫
常温倉庫とは、もっとも一般的な倉庫で、倉庫内の温度は特に調整しないため、外気温の影響を受けやすく、夏は温度が高くなり、冬は低くなるため、保管温度によって商品の状態が変化しない商品を保管することが条件となります。
■定温・冷蔵・冷凍倉庫
定温(低温)倉庫とは、温度や湿度が一定に保たれる倉庫のことです。
食料品などは、10°C以下の保管環境にて、冷蔵倉庫(チルド)、冷凍倉庫(フローズン)と管理する温度帯で区別しており、設備環境に費用がかかるため、倉庫代も常温倉庫と比べると高くなり、対応できる倉庫も限られます。
~許認可~
■化粧品製造許可
化粧品等の委託をする場合、製品検査済みのパッケージされた化粧品の物流を実施するにあたっては、とくに許可や届出は必要ありません。
しかしながら、化粧品の物流を受託するなかで、よくある事例が「箱が凹んだので箱を交換したい」「海外製品をローカライズしたい」というケースで、これらを実施するには、少なくとも、化粧品製造業(包装、表示、許可)許可が必要になります。
■高度管理医療機器等販売業貸与業許可
人体に密接にかかわり、もし機器に不具合を生じた際に、生命の危機や人体への高いリスクに直結する機器で、これらを販売・貸与するには、高度管理医療機器販売業貸与業の許可が必要です。
コンタクトレンズや、カテーテル、注射針、人工呼吸器、縫合糸、AED、ペースメーカー等が該当します。
まとめ
物流業務を委託できる範囲については、基本的な業務から様々な要望や条件を加えると多岐にわたります。
まずは、自社で【何を】【どこまで】委託するかを十分に整理したうえで、コストとのバランスをみながら決定していくことが重要です。