ロケーション管理とは、倉庫の中にある商品の保管場所を番号で管理することです。ロケーション管理を導入することで、作業効率の向上・コスト削減といったメリットを期待できます。
この記事では、ロケーション管理とは何かについて、「固定ロケーション」「フリーロケーション」「ダブルトランザクション」の3つを中心に詳しく解説します。さらに、ロケーション管理を改善する方法についても取り上げるので、ぜひ参考にしてください。
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ロケーション管理とは?3つの方法・導入するメリットを解説
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2024.05.24
目次
ロケーション管理とは?
ロケーション管理とは、物流倉庫内にある商品の保管場所を番号で管理することです。ロケーション管理ではスペースごとに「ロケーション番号」と呼ばれる番号を設定し、適切な管理に役立てます。
ロケーション番号の付け方にはさまざまな手法があるものの、多くの作業者にとって理解しやすいルールを作成することが重要です。複数エリアに分かれた広い倉庫では複数のロケーション番号をつなげて、保管場所を表現することもあります。たとえば、「Cエリア1列目・5連目にある保管棚の3段目・4つ目の間口」にある商品の置き場所は「C1ー5ー3ー04」などと表現するイメージです。
比較的狭い倉庫では列・連・段を省略し、手前の上段から「01、02」などのように、ロケーション番号を付けることもあります。荷物を平置きしている倉庫では、床に直接線を引いて区分けし、ロケーション番号を付ける方法が一案です。ロケーション番号の付け方には画一的なルールがないことから、自社にとって最適な方法を検討し、運用しましょう。
ただし、そもそも倉庫内のレイアウトが整備されていない場合、ロケーション管理が有効に機能しません。ロケーション番号を付ける際には事前に、「作業者に親切なレイアウトになっているか」を見直してください。
ロケーション管理の方法3つ
ロケーション管理の方法には、固定ロケーション・フリーロケーション・ダブルトランザクションなどの種類があります。各方法の概要とメリット・デメリットを以下の解説で理解し、自社のロケーション管理に役立ててください。
固定ロケーション
固定ロケーションとは、商品の種類ごとに保管場所を設定して固定する方法です。固定ロケーションには、作業者が保管場所を記憶しやすい・欠品を把握しやすいなどのメリットがあります。
一方で固定ロケーションでは保管する商品の入れ替えに合わせ、レイアウトの見直しが必要です。また、固定ロケーションでは入荷頻度の低い商品の保管エリアも確保する必要があることから、空きスペースを有効活用できません。
固定ロケーションが向く倉庫の特徴は、以下の通りです。
- 管理する商品の種類が少ない
- 在庫管理システムを導入していない
反対に、新商品が頻繁に入荷される倉庫・季節によって商品量が変動しやすい倉庫には、固定ロケーションは適しません。
フリーロケーション
フリーロケーションとは、固定の置き場所を設定せず、保管場所を必要とする人が自由にスペースを利用する方法です。フリーロケーションには、倉庫内の空きスペースを有効活用しやすいメリットがあります。一方でフリーロケーションには、ピッキング作業の効率が低下しやすい・商品の入荷ごとに保管場所の記録が必要になる、などの課題もあるため相性の見極めが必要です。
フリーロケーションは、以下の特徴がある倉庫に向いています。
- 扱う商品の入れ替え頻度が高い
- 消費期限のある商品を扱っている
たとえば、アパレル製品を扱う倉庫はシーズンごとに商品が入れ替わることから、フリーロケーションに向いています。食材や医薬品などを扱っている倉庫にも、フリーロケーションによる管理がおすすめです。
ダブルトランザクション
ダブルトランザクションとは倉庫内スペースをピッキングエリアとストックエリアに分けて保管するロケーション管理方法です。
ピッキングエリアは商品の保管場所が明確な固定ロケーション管理、ストックエリアは保管効率の良いフリーロケーション管理をそれぞれ導入する事で、それぞれのメリットを活かす事ができます。
※ピッキングエリアにおいてもフリーロケーション管理を採用するケースもあり、明確な決まりはありません。
ダブルトランザクションが向く倉庫の特徴は、以下の通りです。
- 1回の出荷量が比較的少ない
- 移動しやすい商品を扱っている
大型家具や家電などを扱う倉庫でダブルトランザクションを導入すると、補充作業に手間どりやすく、逆効果になるリスクがあります。1回の出荷量が多い倉庫では在庫の補充作業が間に合わない可能性もあることから、他の方法を検討しましょう。
ロケーション管理を導入するメリット
ロケーション管理の導入は、ピッキング作業や在庫管理の負担を軽減しつつコストカットを狙いたい企業にメリットの多い施策です。ロケーション管理のメリットを改めて確認し、業務改善につなげてください。
作業効率が上がる
ロケーション管理によって商品ごとの保管場所を明確化すると、倉庫作業を効率化できます。保管場所を明確に把握していれば商品を探し回ることなく、スムーズに取り出せるためです。
ダブルトランザクションを導入して通路スペースを拡充すれば、倉庫内をより快適に移動できます。固定ロケーションの導入と合わせ、ピッキング導線に合わせたレイアウトを採用することによっても、作業効率の向上が可能です。
また、ロケーション管理では、どの作業者にとっても理解しやすいロケーション番号が付いています。ロケーション番号のルールを教育すれば新人やアルバイトもベテランの作業者と同様に、スムーズに倉庫作業を行うことが可能です。
コストを削減できる
ロケーション管理を導入すると、人件費や倉庫保管料を削減できる可能性もあります。たとえば、ピッキング作業に時間がかかり、頻繁な残業が発生しているケースです。ロケーション管理によって作業効率を上げ、残業が減少すると、人件費削減を図れます。
ロケーション管理の導入と合わせてレイアウトを見直し、空きスペースを有効に活用できれば、保管効率を上げることが可能です。保管効率が上がると現在の倉庫に保管できる商品量は増加し、倉庫保管料の削減につながるでしょう。
その他、ロケーション管理には、適切な在庫管理を行いやすくなるメリットもあります。
適切な在庫管理によって売り上げ機会の損失や不良在庫の発生を回避すれば、企業の利益につなげることが可能です。
ロケーション管理を改善する方法
ロケーション管理を有効に機能させるためには、一定の人員が必要です。人員不足が深刻な倉庫では、アウトソーシングの活用も検討しましょう。
以下は、アウトソーシングのサービスで委託できる業務の例です。
- 入荷、棚入れ
- 在庫管理
- ピッキング、梱包
- 発送
時期によって商品量が変動する倉庫では、繁忙期限定で倉庫業務の一部を委託する方法も検討できます。
より抜本的な対策でロケーション管理を改善するためには、WMS(倉庫管理システム)の活用を考えましょう。WMSとは倉庫内の情報を一元管理し、業務効率化を実現するためのシステムです。WMSを利用すると商品の保管場所や在庫情報をオンラインで管理し、リアルタイムで共有できます。共有された情報をもとに倉庫作業を進めると、ヒューマンエラーの回避が可能です。
多くのWMSには、ハンディ端末を利用して商品情報を読み取り、データベースに自動登録する機能も搭載されています。WMSを利用すれば商品情報をエクセルに手入力する必要がなくなり、効率化を図ることが可能です。
WMSの仕組みやメリットをより詳しく知りたい場合は、以下も参考にしてください。
まとめ
ロケーション管理を導入することで、ピッキング作業や在庫管理の負担を軽減しつつコストカットを進めることが可能です。そのため、多くの企業が倉庫の管理でロケーション管理の導入を推進しています。
倉庫内のロケーション管理など業務効率化に課題をお持ちの場合は、発送関連業務そのものを外部委託するという方法もあります。
2006年より物流倉庫を運営している株式会社清長では少数精鋭の事業者様向けに完全従量課金制で導入できる発送代行サービス「ロジモプロ」を展開しています。
ロケーション管理を含め物流に関する業務をアウトソーシングし、コア業務に専念できる環境を構築したい場合は、是非ロジモプロの導入をご検討ください。