こんにちは。『ロジモプロアカデミー』ライターチームです。
在庫を管理するために、棚カードを活用しているという企業は多いでしょう。棚カードを用いることで複数人での在庫管理を効率化できますが、いくつか無視できない課題もあります。
そこで今回は、棚カードを使用する意義を整理した上で、課題を解決するための手段として在庫管理システムをご紹介します。
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棚カードによる管理には限界あり?在庫管理システムについてご紹介
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2023.10.11
目次
なぜ棚カード(棚札)による在庫管理を行うのか?
倉庫における在庫管理では、棚ごとの在庫を把握するために一般的に棚カード(棚札)が使用されます。棚カードには商品の品番、入出庫記録、ロケーション番号、作業した担当者の名前などを記入し、在庫管理を行います。
ではなぜ、棚カードを用いて在庫管理を行うのでしょうか。
誰でもひと目で在庫がわかるように
棚カードに記入する内容は、企業や倉庫の実情によっても変わりますが、その棚で管理している内容が誰にでもわかるようにします。同じ人が同じ棚をずっと管理するケースは考えづらく、基本的には複数人で管理を行うため、次に別の人が作業を行う場合に備えてルール化した書き方で履歴を残します。
ほとんどコストがかからない
棚カードを使った管理にかかる費用は紙とペンなどの文房具のみであり、コストがほとんどかからないという特徴があります。デジタル技術を用いた在庫管理は一定の効果が期待できるものの、導入コスト・ランニングコストを見越しておく必要があります。小規模の倉庫で、作業員間で十分な連携が取れる体制であれば棚カードを使う意義があるでしょう。
在庫管理表との照合
棚カードを用いた在庫管理では、倉庫全体の在庫数を管理するために在庫管理表との照合を行います。在庫を入庫して棚カードに記入したら、在庫管理表にも同じように記入し、複数の棚に同じ商品・物品があった場合にも総数を把握できるようにします。ヒューマンエラーを起こさないためには、複数人によるチェック体制を構築するなどの工夫が必要です。
履歴表との照合
棚カードを用いた在庫管理においては、入出庫時には別に履歴表を用意しておきます。そうすることで、棚卸時に棚カードと在庫管理表で数が合わなかったとき、履歴表も一緒に突き合わせることでどこにミスがあったかを発見できます。ミスの原因には、入庫時・出庫時の記入ミスの他に、サンプルの持ち出しがあった、商品に破損があったなどのイレギュラーもありえます。
棚カードによる在庫管理の課題
上記のように、棚カードを用いて管理することで在庫数を常に把握できるようになりますが、人の手で作業することからいくつかの課題も抱えています。
書き間違いや計算ミスをゼロにできない
棚カードへの記入は人が行うため、書き間違いや計算ミスをゼロにすることは難しいといえるでしょう。また、在庫管理表や入出庫履歴表にも同じように記入しなければならず、ミスだけでなく手間を削減することも困難です。
場合によっては、大きな赤字になりうる原因を放置してしまうこともあります。
在庫が分散している場合に弱い
倉庫において固定ロケーション管理を行っている場合、棚カードによる管理は有効だと言えます。決まった場所に決まった在庫しか置かず、管理にかかる手間が少なくなるためです。
一方、フリーロケーション管理などで在庫が分散している場合、棚カードによる管理は煩雑になり、ミスを誘発する可能性が高くなります。
カードの紛失リスクがある
棚カードによる管理はコストがほとんどかからない代わりに、カードを紛失してしまうリスクがあります。カードを紛失してしまうと、在庫管理表などと照らし合わせながら改めて作成する手間がかかります。
課題を数値化しづらい
棚カードによる在庫管理でも、きちんと管理を行えばPDCAを回して課題を洗い出し、解決していくことは可能です。一方で、作業員がどの作業にどの程度の時間をかけたかなど数値化しづらい側面も多く、客観的なデータに基づいた課題の洗い出しには向いていないといえます。
在庫管理を効率化する在庫管理システムについて
棚カードによる管理には上記のような課題がありますが、これまでPDCAを回して運用してきた現場では必ずしも何か変えなければならないというわけではありません。一方で、多くの現場においておすすめできるのが、在庫管理システムの導入です。デジタル技術の導入には一定のコストがかかるため、自社の状況に応じて検討する必要はありますが、在庫管理システムの導入によって以下のようなメリットが得られます。
ヒューマンエラーを抑制
棚カードの大きな課題の1つであるヒューマンエラーについて、在庫管理システムは大きく抑制できると期待できます。
在庫管理システムは用途に応じて機能性が変わりますが、バーコードを発行して端末で読み取るなど、デジタル技術を用いて作業が簡略化されています。これによりヒューマンエラーを抑制し、作業員ごとの作業の品質を平準化することもできます。
リアルタイムの在庫管理が可能
棚カードによる管理でも、在庫の動きがあったときに必ず記入するようにすればほぼリアルタイムでの管理となりますが、在庫管理システムによる管理であればよりリアルタイム性が増します。入庫、検品、出庫などどのタイミングでもバーコードを読み込むことでシステムが一元管理するため、離れた場所にいる担当者でも現在の状況を見ることができます。
在庫過多・欠品を抑制
在庫管理システムを導入することで、現在の在庫が数値によって見える化されます。これにより、在庫を多すぎず少なすぎない量に調整することが可能になります。在庫は少なすぎると欠品のおそれがありますが、多すぎても倉庫のスペースを圧迫するなど悪影響があるため、適正量を保つことが重要です。
棚卸の効率化・正確性の向上
実際の在庫と在庫管理表の数値が合っているかを確かめるために、一定期間ごとに棚卸作業を行います。在庫管理システムを用いていた場合でも棚卸を行いますが、その作業は大きく効率化されます。
棚カードを用いた管理の場合、棚卸は一つひとつの在庫を照合する必要がありますが、在庫管理システムの場合はバーコードを読み取るだけで完了します。もちろん、作業の正確性も向上すると期待できます。
在庫管理システム導入のポイント
在庫管理システムを導入することで多くの課題を解決できると期待できますが、デジタル技術の導入には入念な準備が必要です。導入に際しては、大まかに以下の点を押さえておきましょう。
自社や自チームが抱えている課題を整理する
ただ在庫管理システムを導入しようとしても、うまくいくことはありません。まずは自社や自チームがどんな課題を抱えているのかを整理し、それを解決できる機能を持った在庫管理システムを導入する必要があります。
数値を用いて決裁者へ説明する
在庫管理システムを導入するからには、どの程度の改善が見込めるのかを事前に知る必要があります。在庫管理システムのベンダーに相談するなどして、ある程度効率化の効果を数値化することが重要です。また、決裁者へ説明する際は導入に伴う周知や教育、ダウンタイムなどもあわせて計算して提示します。
改善後のビジョンを共有する
これまでの作業に慣れ親しんできた従業員などからは、システムの導入は反発があるかもしれません。ただ「導入します」と一方的に通知するのではなく、なぜ導入するのか、そうすることでどんなメリットや利益があるのかをステークホルダーに十分に共有する必要があります。
まとめ
棚カードを用いた在庫管理における多くの課題は、在庫管理システムを導入することで解決が可能です。まずは自社や自チームの課題を洗い出し、どのような解決策が最適かを検討してみてください。
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